アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
ふと気づけば、テーブルの上でいつの間にかアロマキャンドルが炎を揺らしている。
「明日もちゃんとお祝いのメッセージを送りますね」
蝋燭の灯りは、洸の目元に憂いの影を作りだしている。
「うん、そうして。待ってるよ」
肩肘を立てて微笑む洸が、いつもと違って見えた。
――これが色気というものなのだろうか?
そう思わずに言われないほど、飛香の心はチョコレートのように蕩けそうになる。
それでなくても元々幅のないテーブルを囲む二人の距離は、手を伸ばせばその体に触れられるほど近い。
ちらりと時計を見る。
針が示す時間は、八時半。
さっき時計を見てからもう三十分も経ってしまったという思いと同時に、あと三十分もこうしているなんて無理だという気持ちがせめぎ合う。
会話は途切れ、部屋に流れる曲が今更のように耳に響く。
流れる曲は明るい音ではなくどこか切なげだった。
そっと口にしたチョコレートケーキからブランデーの香りが口に広がる。
甘く、そしてほろ苦い大人のケーキ。
「明日もちゃんとお祝いのメッセージを送りますね」
蝋燭の灯りは、洸の目元に憂いの影を作りだしている。
「うん、そうして。待ってるよ」
肩肘を立てて微笑む洸が、いつもと違って見えた。
――これが色気というものなのだろうか?
そう思わずに言われないほど、飛香の心はチョコレートのように蕩けそうになる。
それでなくても元々幅のないテーブルを囲む二人の距離は、手を伸ばせばその体に触れられるほど近い。
ちらりと時計を見る。
針が示す時間は、八時半。
さっき時計を見てからもう三十分も経ってしまったという思いと同時に、あと三十分もこうしているなんて無理だという気持ちがせめぎ合う。
会話は途切れ、部屋に流れる曲が今更のように耳に響く。
流れる曲は明るい音ではなくどこか切なげだった。
そっと口にしたチョコレートケーキからブランデーの香りが口に広がる。
甘く、そしてほろ苦い大人のケーキ。