アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
あくる朝。
カーテンの隙間から差し込む眩しい光で洸は目覚めた。

そのまま起きて窓辺に立ち、カーテンを開けると、まだ朝だというのに強い日差しが容赦なく起き抜けの洸の目を襲う。

瞬きしながらスマートホンを手に取って、天気予報を見ると最高気温は35度。

『明日は歩いて行こうか』
どうしてあんなことを言ってしまったのかと自分を呪いたくなった。

ため息をつきながらバスルームに向かい、シャワーを浴びながら夕べ飛香から聞いた話を思い返す。

『洸さんたちとお会いしたあのパーティ以外、都内は通りすぎたことしかありませんでした。ひとりはもちろんですが、家族でもあらためてどこかに行ったことはないんです』

『食事も?』

『はい。いつも家で』

サワが『お嬢さまは、どこに連れて行ってもとても喜んでくださるんですよ』と言っていた訳も、ここでの食事に毎回瞳を輝かせる理由もわかった気がした。
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