アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~
西園寺邸に来てから五日。無言で食事をする洸に飛香は慣れたようだった。
今も洸の存在を気にする様子もなく、相変わらず料理一つひとつに瞳を輝かせている。

洸はワイングラスを傾けながら、そんな飛香を見ていた。
何しろ母の絶対的な命令がある。
明日は目の前にいるこの子を、どこかに連れていってあげなくてはならない。

――さて……。どうしたものか。

洸が既婚者で奥方も同行するとかサワが同行するとかいうならいざ知らず、独身の洸が飛香を誘ってふたりきりで軽井沢の別荘に行くわけにはいかない。

思いついたまま、なんとなく聞いてみた。
「飛香。明日、博物館でも行ってみる?」

顔をあげた飛香は、目を丸くして洸を見返した。
「え?」

「君が好きな平安時代だけじゃなく、その昔から現代までの資料や展示があるところ。博物館、どう?」

見るみるうちに笑顔になった飛香は、頬を高揚させて何度も頷いた。

「はい! 行ってみたいです!」

「じゃあ決まりね」
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