きみと1番目の恋

その笑みはやっぱり私を
落ち着かせた。

郁人くんの存在は離れていた
1年間で肥大した。
例え、それが今は恋でなくても
“彼がいる”だけで私は救われる。

翼「あのさ、郁人くん。」

郁人「何?」

翼「ここは辞めたって聞いたけど
あのBARは辞めてないの?」

郁人「辞めてないよ。」

郁人くんの事を避けていたのは
きっと私の方だ。
半年前まで、彼はここにいて
ほとんど毎日、あのBARにいた。

行かなくなったのは
会わなくなったのは
全て、私の意思だ。
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