きみと1番目の恋

昔は少しだけ躊躇っていた嘘を
今は誰に対してもつけるようになった。

罪悪感なんて感じない。
嘘を重ねても心に痛みすら感じない。

嘘をつかなければ生きていけない
今の私にとっては空気のようなものだった。

広菜「心配して損した。
ちゃっかりそんな人
見つけてたのね。」

翼「せめて誕生日くらいは
誰かに祝ってもらわなきゃね。」

広菜はホッとしたような
それでいて嬉しそうな
笑みを浮かべると
ハンバーグを食べ始める。

その笑みを見ても何とも思わない。

親友にさえ隠さなければならない
秘密の恋が果たして幸せなのか。
なんて、思わない。
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