きみと1番目の恋

翼「でも、郁人くん。
子供好きだよね?」

郁人「もちろん好きだよ。」

翼「私が初めて妊娠した時
公園で遊ぶ子供たちを見ながら
郁人くんは言ったよ。
もしも男の子なら毎日のように
キャッチボールをして絶対に
野球をさせてあげたいって。
もしも女の子なら毎日のように
おままごとをして将来は
誰と結婚しても幸せになれるような
料理上手な子供に育てたいって。」

私のせいで郁人くんは
父親にはなれない。

翼「楽しそうに子供たちと遊ぶ
郁人くんの姿を見た時に思ったの。
お腹の中の赤ちゃんは幸せだなって。
郁人くんが父親だったら幸せだって。
でも、私は郁人くんに自分の子供を
抱かせてあげる事すら出来ないの!
一緒にキャッチボールをする男の子も
料理上手な女の子も私たちの
未来にはいないんだよ!!
私は郁人くんにそんな未来を
歩ませる事が一番辛いよ...。」
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