きみと1番目の恋
マスターが郁人くんの飲んでいた
ギムレットを私の前に置くと
すかさず彼がグラスを突き出す。
郁人「じゃあ、とりあえず乾杯。」
郁人「うん、乾杯。」
シャンパンとジントニックしか
飲んだ事はなかったけど
他のお酒もやっぱりここは
美味しかった。
乾杯した後のグラスを
見つめながら彼は唐突な話をし始める。
郁人「いつも思うけど
この乾杯ってさ、何に対しての
乾杯かよく分からないよな。
決まり文句的に言ってるだけで
何もめでたい事なんてないのに。」
翼「今日という日を頑張って生き抜いた
自分を褒めてへの乾杯じゃない?」
郁人「え?何それ。」