きみと1番目の恋

皆が帰った後、薄暗い部屋の中で1人
黙々と印刷ミスした箇所に
シールを貼り続けた。

傷付いた訳ではない。
皆の言ってる事は正しいと思う。
私のミスのせいで皆が
残業する必要なんてない。

私が頑張ればいいだけの話だ。

デスクの後ろに積まれた
10数箱の段ボール箱を見ると
心が折れそうになるけれど
頑張るしかない。

時刻は23時。
ようやく7箱分のシールを
貼り終えた頃の事だった。

郁人「やっぱり、いた。」

突然開いた扉から
郁人くんが顔を覗かせる。
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