きみと1番目の恋

翼「何で郁人くんがいるの?
てか、どうやって入ってきたのよ?」

郁人「これ。」

翼「入社証?」

郁人「カフェのバイトで
よくここの配達に来るから。
受付の女の子に頼んで
特別に作ってもらった。
いちいち名前書くの面倒だから。」

翼「本当に顔がいい人は何かと得だね。」

郁人「使えるものは使わなきゃ。
はい、コーヒー。」

翼「ありがとう。」

手に持っていたまだ温かい
コーヒーを私のデスクに置くと
斜め前の町田くんのデスクに
腰かけた郁人くんは
私の手元をじっと見つめ尋ねた。
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