きみと1番目の恋
だからこそ
隣で目を瞑る郁人くんを見て
申し訳なくなった。
郁人くんだってこの街にいる
若者の1人なのに私なんかのせいで
その貴重な時間を無駄にして
しまったんじゃないかと思うと
ものすごく申し訳なかった。
翼「ごめん、郁人くん。」
郁人「え?何、突然。」
翼「郁人くんの言葉に甘えて
貴重な時間を無駄にさせちゃったね。」
さっきまで閉じていた郁人くんの
大きな瞳が私を捉えていた。
郁人「翼さんとは気が合わないな。」
翼「どうして?」
郁人「俺は翼さんに笑ってほしくて...
頑張ってる翼さんを応援したくて
わざわざ夜中に会社まで行ったのにさ
そのせいで逆に翼さんに申し訳ないと
思わせるなんて。本当に気が合わないよ。」