きみと1番目の恋
翌日の仕事終わりに滅多に来ない
若者の街へとやってきた。
会社から電車で2分、徒歩でも来られる
この場所にもう来る事なんてないと
思っていたけれど、郁人くんくらいの
歳の子はこの街で生きている。
もちろん私は郁人くんの事を何も知らない。
大学生の好みも今の流行りも。
だからこそ、この目で確かめて郁人くんが
喜ぶお礼を見つけたかった。
駅を降り目の前に広がる
繁華街を歩いてみると
やっぱりそこは私の知らない世界だった。
下着が見えてしまいそうな
ミニスカートを履く女の子だとか
人を突き刺してしまいそうな
スタッズが沢山ついた服を着る
男の子だとか青色のサングラスを
かける子だとか白髪みたいな髪色の子だとか。
とにかく、私が生きている世界では
出会わなさそうな人達ばかりで驚いた。