真の魔性の女は、色気がない
それから、仕事が忙しくなった。
春の旅行シーズンに入ったのだ。
ミエちゃんとは、あれから進展もなく。
それどころか、なんだか微妙に距離を置かれているような気がする。
でも、シーズンが落ち着けばまた、近づけるはずだ。
寝不足と戦いながら、仕事をした。
送り出し当番だから、朝が早い。
せめてもの癒しは、ミエちゃんのバスガイド姿が見られることだ。
普段は営業だけど、忙しい時は、ガイドをするのだ。
普通の銀行員みたいな制服だけど、ミエちゃんが着ると、キャビンアテンダントみたいだ。
ああ、今日も可愛いなぁ。
僕が、大型二種免許をとったら、ガイドはミエちゃんにして欲しい。
あっ、今日は、加藤さんとじゃないか。
いいなぁ、加藤さん、羨ましい!