真の魔性の女は、色気がない

シーズンも終わった5月の下旬。
ガイド達が噂をしているのを、聞いてしまった。
休憩スペースに保管されている、コピー用紙を取りに行こうとしたのだ。
 
 「ミエちゃんって、やっぱり加藤さんと不倫してたらしいよ。この間、後藤さんが言ってた。」
「えー、じゃあ、噂は本当だったんだぁ。何でバレたの?」
「後藤さんと知り合いの添乗員がさ、加藤さんの部屋に入ってくミエちゃんを見たらしいよ。ほら、先月一緒に組んでたじゃん。その時の添乗員が、後藤さんにチクったらしいよ。」
「ああ、それって、B社の人でしょ?名前何だっけ?」
「松田さんだっけ?あの人ミエちゃん狙いだったもんね。」
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