テレビの感想文
ところで、この男性が実家に帰り、(テーブルにおせち料理があったので、おそらく時期はお正月)リビングで両親と話をしていたときのこと。

父親から、芸人としてやっていけてるのか、バイトはしてるのかなどいろいろと質問されていて、あまり話をしたくないのか、少ししか口を開かない男性。その会話の中で、30歳になったら芸人をやめる、と言っていた。

「30歳になったら決断してくれよ、ゆうじ」

「はい」

「頼みますよ。生きていかなければならないからね。お父さんお母さんが死んでも。お父さんお母さんがいるあいだはこの家があるけど」

「……」
うつむいて無言になる男性。

「できればね、家族も持って」

このとき、なんとなく「重いなぁ……」と思った。そして、この文章を書きながら、なんでこのシーンが気になったのか考えた。
たぶん、私にも、男性の父親の言ったことが心に響いたから、なんじゃないか。

私に父親はいない。でも、もし生きていたら、こんな風に27歳の自分に、「将来これからどうするの?」とか、「30歳までに決めなさい」とか、心配されていろいろ言われるのかなぁ、なんて思った。
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