テレビの感想文
ネタが芸人仲間にはウケるけど、お客さんにはウケない。しかも、そのネタ自体を変えたほうがいいと言われる。かなり、現実的に厳しい状態だ。

実家の家を出た男性に、番組スタッフから「30歳で芸人をやめるのか」と訊かれると、「建前ですよ」と言っていた。そういったときの表情と口調から、なんとなくだけど「ああ、そこまで真剣に、30歳で芸人をやめるかどうかとか、考えてるわけじゃないんだろうな……」と感じた。

いつだったか、雑誌で読んだカンニング竹山さんの言葉を思いだす。
芸人をやめなければならない人が、やめるタイミングを失って、ずっと続けてしまっている。でももしかしたら、芸人をやめていたほうが、本人にとって幸せだったかもしれない。

一言一句正確にはおぼえていないけど、おおまかに言うと、普通に働いたほうがいい人、つまり、芸人に向いてない人は、芸人をやめたほうがその人にとって幸せなんじゃないか。長く続けたら続けるほどやめづらくなるし、だったら、早めに決めたほうがいい。確か、そんな内容だったと思う。

あきらめずに、やり続けることでチャンスをつかんで、売れる人はいる。けど、それはごく少数。
「THE SECOND」にエントリーした芸人さんたちのように、20年近く芸人をやり続けて、仕事が増えた人もいるにはいるけど、あれは、すべての人ができることではない。

夢って、残酷だよなぁ。叶わなかったとき、あきらめなければならなかったとき、自分に残るものはなんなんだろう。なんだか少し胸が痛くなってしまう。
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