テレビの感想文
ヨウコは、すごいドクターだ。戦場で医師として活動していた過去があり、運ばれてきた患者を診て、治療すべきところがどこなのか瞬時に判断する。ミス、誤診はゼロ。その超人的な「スーパードクター」っぷりは、テレビ朝日のドラマ『ドクターX』の外科医、大門未知子といい勝負だと思う。

けれど、医療免許がなく、無免許で働いていた時期があり、逮捕されてしまう。それでも、いままでヨウコが出会い、患者として診た外国人がたくさん、ヨウコに「ありがとう」と言っていた。それぞれの母国語で。

コロナ禍だったあの頃を思いださせる、ドラマの中での、ルミナウイルスの感染拡大。

ヨウコは、自分の頭で考えて行動しろ、と横山と田島に強く主張し、ここは屋上だから、と口からマスクをはぎとった。

アメリカで生まれ育ったヨウコにとって、「みんなと同じであること」を良しとする、日本の考え方や価値観は、かなり窮屈で、疑問に思うことばかりだったように見える。

宮藤さんも、それを伝えたかったのかな、なんて思う。

そういえば、あの頃、舞台で活動する演劇関係の方たちは、集団感染を避けるため、活動休止を余儀なくされていた。仕事がなくなってしまったら、生活ができない。

でも、ネットなら。
YouTubeで、「戦ーう者のー歌が聞ーこえるかー」と、
『レ・ミゼラブル』の「民衆の歌(Do you hear the people sing)」を歌う、俳優さんたち。

すごいよなぁ、人間って。
一人じゃ無理なら、みんなで。

ウイルスは、人が人を楽しませようとする思い、人類がエンタメを楽しむ気持ちには勝てなかった。
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