黒縁眼鏡と銀縁眼鏡
わんわん泣いている私を、佑真は困った顔して抱きしめてる。

「どうした?
なにがあった?」

「あのね……」

私はしゃくり上げながら、佑真がいないあいだにあったことを説明した。

「……ここ、嗅ぎつけられたんだ」
「佑真……?」

……嗅ぎつけられた、って?

「そいつ、知重をストーカーしてた奴の仲間。
知重をまた、攫いに来たんだよ。
……大丈夫。近いうちにここを出よう。
それに僕が、守るから」

「……うん」

顔は笑ってるんだけど、佑真の、眼鏡の奥の目はなにかを思い詰めたようだった。

 
その夜。
私は夢を見た。

あの、胸に下がっている眼鏡をかけた男の人が、私に向かってなにか云っている。

――あいつから逃げて。
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