黒縁眼鏡と銀縁眼鏡
「んー?
知重と知り合ったのは僕の方が先だったのに、白倉の奴が盗るから」

佑真の眼鏡のレンズに映る、ランプの炎がゆらゆら揺れると、その瞳も揺れてるように見えた。

「白倉って……誰?」


「まだ思い出せてないんだー?
あの眼鏡の持ち主、だよ。
もうこの世にいないけどね」

今日は僕を困らせたから晩ごはんは抜きだね、そう云って手をひらひらと振って佑真は地下室を出て行った。
扉が閉められ、また闇に閉ざされる。

……白倉、その名前を聞いたときに思いだしたのはあの夢の男。

確かにあの眼鏡をかけていたし。
でも、もうこの世にいないって?
考えろ、考えろ、考えろ……。

思い出そうとすればするほど、頭痛は酷くなっていく。
いままでは佑真のくれる薬で抑えていたけれど、もしかしてあれもなにかの策略だったんだろうか?

酷い痛みに意識を唐突に失い、気が付いたら佑真が私を見下ろしていた。

「そんなに思い出したい?」
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