黒縁眼鏡と銀縁眼鏡
佑真はそのことについてなにも云わなかったし、むしろ祝福してくれてるんだと思ってた。

佑真がおかしくなったのは、眞人の研究が認められ、そして私たちが結婚を決めた頃。

眞人が自分の研究を盗んだとか、知重も自分のものだったのに眞人が略奪したとか。

心配だった私たちは佑真に病院に行くように勧めたりしたものの、妄想は酷くなるばかりで。

私に対するストーキングが始まったのもちょうどその頃。

あの日、呼び出されて眞人ふたりビルの屋上に行くと、縁に立つ佑真。
止めようとした眞人は反対に……突き落とされた。

スローモーションのようにゆっくりとビルの向こう側に眞人が消え、どさっとも、ぐしゃっともつかない音がして下を覗き込んだら、眞人が倒れてた。

そのまま佑真は私を攫い、監禁し。
いろんなこと、された。

つらくて苦しくて、でも、まだどこかで眞人が生きてて私を助けに来てくれるって信じてた。

……だけどあの日。

眞人の形見だってあの眼鏡を渡された。
理解したくないのに眞人の死を理解した私の精神は崩壊した。
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