黒縁眼鏡と銀縁眼鏡
ぼやける視界に頷く眞人の姿が見えた。

……まだ、死にたくない。
死んで、たまるか。

握ったそれ――眼鏡を思いっきり、佑真の背中に突き立てる。
刺さりはしなかったがそれなりに痛みはあったようで、佑真の手が緩んだ。

「ごほっ、ごほっ、ごほっ、」

「……知重は一緒に、死んでくれないんだ」

ガシャン、佑真が立ち上がった衝撃で倒れたランプの炎が、毛布に燃え移る。
炎はゆっくりとあたりに燃え広がっていく。

「いいよ、知重。逃げな」

「佑真?
佑真!」

「僕はもういいよ。
なんだか疲れちゃったし……」

気が付いたら炎は勢いを増し、佑真の姿は炎の向こう側だった。

「佑真!」

「ばいばい、知重」

最後に見えたのは、泣いてる佑真の顔。
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