黒縁眼鏡と銀縁眼鏡
目が覚めたら病院だった。
あちこち軽いやけどや打撲はあるものの、問題はないという。

……あのあと。

私は再びあの山荘を訪れた、友人たちに救い出された。

――知重を返すから。

そう、わざわざ佑真から連絡があったのだという。


「いってきます」

カウンセリングを重ね、社会復帰を果たした私の部屋には、いつか三人で撮った写真。
その前には少し歪んだ銀縁眼鏡と熱で溶けて変形した黒縁眼鏡。

私が病院で目を覚ましたあと、友人たちは無事を喜びながら警察に不満を漏らしていた。
何度も佑真が私を連れ去り、どこかに監禁していると訴えたものの、駆け落ちしたんだろと相手にしてもらえなかったらしい。

友人たちの訴えがあって佑真の部屋を捜索したものの、出てきたのは私が書いたと思われる置き書き。

【婚約者の友人を好きになってしまった私を、許してください】

確かに、そんなものが残されていれば、警察も捜査などしないだろう。
< 20 / 21 >

この作品をシェア

pagetop