エスポワール~私と御曹司~
望「才能があっても辞めてしまう人は
五万といるし、目標を見失って
続けられない人も沢山いる。
1番大切な事は続ける事だと思う。
もちろん嫌なら辞めればいい。
嫌な思いをしてまで働く必要はない。
でも会社の利益にならないとか
何の役にも立たないとか
そんなのって続けてみて初めて
分かる事なんじゃない?」
だけど、1つだけよく分かる。
この人は優しい人なんだ。
希「迷惑じゃないですか?」
望「誰の?」
希「分かりません。」
こんな問いかけはするべきでなかった。
こんな事を聞きたかった訳じゃない。
分かっている。ただ肯定の言葉が
欲しいだけだと。
だけど、質問された側は
きっと困るだろう。
答えのない問いかけに戸惑う。
望「迷惑じゃない。
少なくとも、俺はね。」
完璧だった。この人は。
私の欲しかった答えを
知っているのだから。