一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~


(は、反撃された…!)


みるみる、いつものペースを取り戻す彼。攻められると弱いくせに、形勢逆転すると活き活きとしだす悪い癖だ。

ただ、これは絶好のチャンスでもある。気持ちを伝えるなら、今しかない。

ふっ、と顔を上げると、綺麗な瞳と目が合った。ごくり、と喉が鳴る。

今さら、言葉が出ない。なんと切り出せばいいのか分からない。

もっと、学生のうちに恋愛をしておくべきだった。告白だけで心臓が張り裂けそうになっている。


「言えないの?」


「…っ。」


「…あと十秒で言えなかったら、キスするよ。」


「っ?!!」


ふわり、と添えられる手。頬をなぞる指の感触に、ぞくりとする。

ぎゅん!と緊張で体がこわばった私は、観念したように、ぽつり、と言葉を口にした。


「す、好きです…」


「!」


ぴくり、と震えて動きを止める彼。目を合わせられない私に、低い声が囁かれる。


「…もっかい。」


「え!」


「もっと聞かせて。」


この、わがまま御曹司…!

しかし、もう殻を破った私は、二言目の抵抗をなくしていた。


「好きです。樹さんを好きだって、気づいてしまったんです。…スキャンダルを報じられたあの日から、私は……、っ!」


ちゅ…!


言葉の途中で、不意に唇を塞がれた。思わず目を見開き、息が止まる。

軽い吐息とともに、すっ、と、離れる彼の影。

緊張が高まる中。低く、それでいて穏やかで愛おしそうな甘い声が囁かれた。


「よく言えました。」


(…っ!)

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