一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
信じられない。
急に、どくん、どくん、と心臓が鼓動し始めた。
待ち焦がれていた彼が、日本にいる。
すると、とん!と私の背中を押した唯が、興奮したように言った。
「は、早く行かないと!一年ぶりの再会でしょう…?!」
「う、うん…!!」
私は、無我夢中で駆け出した。
まるで、空港に向かった樹さんを追いかけたあの日のように、髪が乱れるのも気にせず、社員証片手にホテルの裏口を突っ走る。
ロータリーには、一台のタクシーが停まっていた。
駆け寄ると、静かに扉が開く。
「あっ、あの!急いでこの住所までお願いします…!」
『かしこまりました。』
樹さんが逃げるわけではない。
しかし、私は焦らずにはいられなかった。
彼からの連絡一つで、ここまで舞い上がってしまうなんて。私も相当彼に溺れているらしい。
ブォン…!
走り出したタクシーは、チカチカとウインカーを灯火して、夜に包まれ始めた街へと向かったのだった。