一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~


かぁっ、と赤くなる頰。何も言えずに数秒二人は見つめ合う。

すると、私の手を離した彼はそのまま背中に腕を回し、ぎゅうっ、と私を抱き寄せた。

触れ合う肌の感触に、どきん、とする。


「…おはよ、美香。」


耳元で囁かれた声は、愛おしさと優しさに溢れた響きだった。

隣に、いる。

離れていた一年を埋めるように、私の存在を確かめるように。彼は私の体をさらに抱き込んだ。


「…っ、苦しいです…っ。」


「ごめん。…でも、もうちょっと…」


至近距離で交わる視線。

ふわり、と笑った彼につられて笑みが溢れた。

こんな幸せな朝はない。


「体、つらくない?…昨日、ちょっと無理させたでしょ…?」


「……平気です。…たぶん。」


体は、少しだるかった。でもそれ以上に、心に溢れる幸福感が全身を満たしているように思えた。

静かに瞼を閉じて息をする彼。寝ぼけているような呼吸に、くすり、と笑う。


「まだ眠いんですか…?」


「…ん…、時差ボケ……」


< 184 / 186 >

この作品をシェア

pagetop