一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
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カチ、コチ、カチ…
スイートルームの壁時計の針が、午後十一時を指した。
クッションを抱えてソファにもたれかかった私は、ちらり、とテーブルの上に置かれたスマホの画面へと視線を落とす。
(さすがに、今日は来れないよね。)
あの後。バタバタとビュッフェの企画が決まり、スタッフ総出で準備にかかった。
メニューの変更はうまくいった、との連絡を受けた森久保さんが、謝恩会に向けて会場の設置を進めていた光景が脳裏をよぎる。
樹さんが空港に手配していたらしいトラックで運ばれてきた食材も、なんとか仕込みが間に合ったようだ。
(今まで準備してたことを一から変更したり、いきなり新しいイベントの企画を始めるなんて、私だったら怖くて出来ない。)
改めて、あの男の実力を見せつけられた。彼の案についていったスタッフに不安を感じさせない態度と、新たな解決策へと導く手腕。
誰が見ても、カッコよかった。
後一時間で日付が変わる。きっと、今日はもうここ来る余裕はないだろう。
髪を束ねていたゴムを外し、ドサ、とベッドに沈む。
昼間の樹さんの顔がまぶたの裏に浮かんだ。
三日、という期間は、想像よりも長かった。仕事中の彼から連絡が来ることもない。
(久しぶりにゆっくり話せると思ったんだけどな…。)
と、その時だった。