一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
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ーーピチチチ。
柔らかい朝日を感じ、久我は、ふっ、と目を覚ます。
まどろみから抜け出すように体を起こすと、体に薄い毛布がかけられていることに気づいた。
辺りを見渡すと、そこは見慣れたスイートルーム。
はた、と動きが止まる。
(…嘘。俺、昨日寝落ちした…?……さいあく…)
はぁ、と息を吐きながら髪をかきあげた。
映画の内容は、全くと言っていいほど覚えていない。主人公の名前すら知らない。
…カッコ悪すぎ。
と、その時。もう一方のソファに、ブランケットを羽織った彼女の姿が見えた。
はっ、として見つめると、彼女はすやすやと寝息を立てている。
まさか、俺がソファで寝ていることに気を使って、ここで眠りについたのだろうか。
「アンタはベッドで寝ていいでしょーに…」
ぽつり、と呟き、自分にかけられていた毛布を彼女にかける。
繋いだはずの手が離れていて、つい、まつ毛を伏せた。
無防備に寝転ぶ彼女は、起きる気配がない。
(起こしてよかったのに。…ったく、この子は…)
ーーちゅ。
軽く唇に口付けると、彼女はもぞもぞと毛布にくるまった。
(可愛い。)
くすり、と笑みがこぼれる。
ふいっ、と時計を見やると、時刻は午前六時だ。
「風呂を借りたら、出勤するか…」
久我は、シャツのボタンに手をかけながら小さくそう呟いて、ふわぁ、とあくびをしたのだった。