一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~

平然と口に出されたブラック発言に、ぞくりとする。

すると、桐生さんはトトト…、とスマホを操作し、とあるアドレスへ電話をかけた。数秒後、相手が電話に出たらしい。桐生さんの冷めた声が部屋に響く。


「おはようございます。今、ドコです?まさか、まだ寝てる、なんてことはないですよね。」


通話の相手は樹さんのようだ。

スイートルームに来る前に彼に電話すればいいのに…、なんてことは言わない。

と、その時。桐生さんが眼鏡の奥の瞳をギラリ、と細めた。


「…は?風邪?あなた、それでも大人ですか。いくら徹夜続きだったとはいえ、体調管理を怠るなんて社会人失格でしょう。」


ズバズバと飛んでいく容赦ないお説教。顔色一つ変えずに電話をする桐生さんを、私は無言で見つめる。


「…で?また、何も食材を買っていないんですか?薬は?…やっぱり。仕方ないですね。……知りません。私はあなたの下僕ではありませんので。今日は一日寝ていてください。いいですね?」


何やら揉めているようだ。ブツ!と通話を切った桐生さんは、ふぅ、と小さく息を吐いて呟いた。


「ったく。私が世話をしないと何も出来ないのか。あの男は…」

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