ワケあり同士による華麗なる政略結婚



双方に黙り込んでいると、彼の父親が咳払いをして言いにくそうに言葉を発した。








「、、今日集まってもらったのはほかでもない。2人が籍を入れて早2年。結婚して3年目にもなると社内、社外共に良からぬ噂が出てきている。」



私以外はその噂の事を知っているようで、隣に座る両親に視線を移すと目を逸らされた。









「良からぬ噂、、ですか、、?」

「そうだ。両企業で君を見かけた事がないという所から結婚は偽装なのではないかと囁かれている。同伴者連れのパーティーでも姿を見た事がないと他の企業からも話が上がっていて、うちの親戚も跡取りが欲しいようでな。2人の〝別居婚〟について異論が出ている。」











よくよく考えてみれば、噂が出るのは当然の結果だ。

元々、父の会社には関わらなかった。





こんな不良品が一家にいると分かれば、家族の印象が悪くなると思っていたからだ。

だから子供の頃も何かしらのパーティーがあっても兄達とは違い、家で留守番していた。




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