ワケあり同士による華麗なる政略結婚
少し言いにくそうな声を出す彼に、自分でも分かりやすいくらいガッカリした声が出てしまう。
「そう、、なんですね。」
『それで、だ。もし時間があれば忘れモノを届けに来てくれないか?今日も日付が変わるだろうからお前の顔も見ておきたい。』
「行きますっ!!!!今すぐ参ります!何をお忘れですか?!?!」
彼に会いたい一心で、何も考えずに直ぐに声を上げた。
『部屋に忘れてきた資料だ。午後一にある会議に使う。最悪でも昼までには届けて欲しいんだが、大丈夫そうか?』
時計を確認すると昼まであと2時間ほどある。
これだけ時間があれば、何かお昼の差し入れも出来るかもしれない。
「はいっ!大丈夫です!お昼までには参ります!!!では準備がありますので失礼します。」