ワケあり同士による華麗なる政略結婚


手を伸ばすが、お弁当を持つ彼の手が更に上に上げられ届かない。








「な、、!?お願いですから返して!!!」



泣きそうになりながら背伸びをしてお弁当を追いかけるが全く手が届かない。









『俺の弁当だろ。返せと言われる筋合いはない。それに、、そんな顔するな。俺が悪いことしてる気分になるだろうが。』



困った表情を浮かべ、ポンポンと頭に手を乗せられた。

その手はあったかくて優しかった。









「、、だって誠也さんは今から会議ですよね?お忙しい誠也さんには食べる時間なんてないです。、、お気を遣われなくても大丈夫です。私が勝手に作っただけですし。」

『朝も食い損ねてる。後で食うから置いておけ。それより車を出すから乗っていけよ。』




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