ワケあり同士による華麗なる政略結婚


シャワーで念入りに身体を洗って浴室を出た。

マコちゃんから贈られた下着はサイズもピッタリで、普段あまり着ないワンピースは少し勇気がいったが着てみると落ち着きのあるデザインでとっても上品だ。

着ていたコートにもよく合っていて、これなら彼の横にも立てる気がした。






マコちゃんに教わった通りにメイクをし、準備を整えソファーに座って彼を待っていると私服に着替えた彼が帰ってきた。








「お、おかえりなさいっ、、!出掛ける準備っ出来ました。」



彼に駆け寄ると何故か急に引き寄せられ、キスが降ってきた。






「っ、、、?」


触れるだけの優しいキスで、唇は直ぐに離れ何かを確認するかのように顔を覗き込まれた。














『、、あんな事があった後だ。もしお前が怖いなら無理して出かけなくてもいい。今まで通りで、、。』



彼と出掛けられない、、?

そんなの嫌だっ!!!






少し視線を逸らして距離を取ろうとしてくる彼を掴んで自らキスをした。

そして真っ直ぐ彼を見つめた。








「行きたいですっ!!!!!誠也さんとお出かけしたくて特訓したんですっ、、、もしかしたらまた怖くなってしまうかもしれません。でも誠也さんと一緒なら大丈夫です。だって誠也さんはいつだって私を守ってくれました。触れる時も優しく触れてくれます。だから怖い筈がありません。」

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