ワケあり同士による華麗なる政略結婚
あっという間に部屋についてしまう。
彼と過ごせる時間の終わりを告げたかと思いきや、彼が向かったのはまさかの彼の寝室。
そして何故か彼の大きなベットにゆっくり降ろされた。
『足腰に力が入らなければ、ここで休んでいるといい。俺は今から少し用事を済ませてくるから少し眠っておけ。帰ってきたらまた出かける。いいな?』
色々と疑問はあった。
何故、彼の寝室なのかとか用事は一体なんなのかとか出かけるって誰となのかとか、、考え出したらキリがない。
でも布団を優しく肩まで掛けられて目を細めながら頭を撫でられたら、もう素直に頷くことしかできない。
小さく頷いた私を確認すると彼は朝とは違う私服に着替え、寝室から足早に出て行った。
私服であるという事は、用事は仕事ではなく完全なプライベートだという事。
彼の休みに何処で何をしていても、彼の自由なのに行き先が気になって仕方ない。
もしかしたら女性に会いに行ったとか、、?
そう考えると途端に胸が痛みだして苦しくなった。
だから布団を被って必至に耐えた。
こんなじゃ半年経つ前に呆れられてしまう。
よく分からない感情が渦巻いて、目を閉じても全然眠れなかった。