ワケあり同士による華麗なる政略結婚
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お昼過ぎた頃に玄関から物音がした。
上半身を起こして耳を澄ませると、こちらに近づいてくる足音。
部屋の前でその足音は止んで、次に聞こえたのはノックの音。
『今戻った。、、起きてるか?』
「はい、起きてます。」
返事を聞くと私の事を気遣ってか、ゆっくり扉が開けて彼が遠慮気味に入ってくる。
彼の部屋なのに、その姿がなんだか可笑しくて笑ってしまう。
笑う私に不思議な表情を浮かべながら、ベットまで近づいてきて声を掛けられた。
『どうした?そんなに面白いことでもあったのか?』
「ふふっ、、!誠也さんって本当に優しい方だなってそう思って。」
笑顔で答えると目尻を下げて、彼の顔が近づいてくる。
『、、お前は本当に。』
耳元でそう呟いて、ゆっくり重なる唇。
彼と夫婦になって何度目かのキス。
彼が離れていく気配を追って目を開けるとベットに縁に腰掛けている彼。
『体調はどうだ?特に足腰は。』
突然彼の大きな手が布団の中に伸びてきて労わるように腰を撫でられた。
「ひゃっ、、!?だ、だ、だ、だ、大丈夫ですっ、、!!!!」
驚き過ぎて変な声が出てしまい、慌てて口を手で押さえると突然、彼はベットの縁から立ち上がりドアの方へと向かって行ってしまう。