ワケあり同士による華麗なる政略結婚


最上階のスイートルームは、全面ガラス張りで都内の夜景を一望出来る。


しかしそんな夜景をゆっくりと眺める暇もなく、部屋に入った瞬間ベットへと押し倒された。
















『、、今さら逃げられると思うなよ。』






見上げた先には、切ない表情でこちらを見下ろす彼が目が合ってドクンと鼓動が高鳴る。

ゆっくりと彼の顔が近づいてきて、それを迎い入れるように目を閉じた。








触れられた唇は、とても熱くて火傷しそうだ。


角度を変え、降り続けるキスに徐々に身体の熱が上がっていく。







素肌を優しく触れる彼の指先に翻弄され、何もかも溶かされていく。



不安や恐怖、羞恥心、更には理性さえも。










彼の指先が素肌を滑るたび、甘い吐息が漏れる。



気づけば互いに何も身に纏っていなくて、彼の鍛え抜かれた身体と直に抱き合って1つになれば自然とこぼれ落ちる涙。


余裕のない彼の欲情に塗れた表情から目を逸らせない。







そんな彼に自ら手を伸ばし首にしがみ付けば、速くなる律動。

痛いくらいに抱きしめられ、その逞しい身体に閉じ込められる。





耳元で何度も名前を呼ばれ、その度に途切れながらも必死で彼の名前を呼ぶ。

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