ワケあり同士による華麗なる政略結婚
「せい、、や、さん、、私は大丈夫ですから、、ですから、、暴力は、、っ駄目です、、。」
今更ながら自分の置かれている状況を思い出して、真っ青になりなりながら必死に彼から距離を取る。
本当は彼にだけはこんな姿見られたくなかった。
最後くらいは良き妻を演じて笑顔でサヨナラしたかったのに、これじゃ最悪だ。
『っ美麗、、、。』
男から手を離し、ふらふらとこちらへと躊躇しながら近づいてくる彼。
そんな彼から逃げたいのに両手を縛られている為2人の距離は徐々に縮まっていく。
私の目の前で立ち止まり、彼がこちらに手を伸ばし触れる直前で声を上げた。
「誠也さんっ!っ、、お願いですから、、これ以上私に近づかないで下さい、、。誠也さんの会社でこんな事になってしまって本当に、、すみません。私はもう貴方の妻である資格もありません。ですからどうか私と、、っ、、。」
〝離婚して下さい〟
最後のその一言がどうしても出てこなくて、涙だけが流れ落ちる。
彼は戸惑いながらも、縛られている両手を解いてからその場に立ち尽くす。