ワケあり同士による華麗なる政略結婚
私の返事を聞くと、お義父様は心配そうな表情を浮かべながら後ろ髪を引かれるように資料室を後にした。
2人きりになり、静まり返る部屋。
聞こえるのは彼の心臓の音だけ。
その規則正しい音を聞いているだけで、嘘みたいに呼吸も楽になり心が穏やかになる。
彼に拒絶されるくらいなら一層、こちらから拒絶すればいいと思った。
でもこんな風に抱きしめられれば拒絶する事なんて出来ない。
穢れてしまった身なのに、それでも力強く抱きしめてくれる彼の優しさに胸が暖かくなって泣きそうになってしまう。
「誠也さん、、来て下さってありがとうございます。とっても、、嬉しかったです。それと、、ご迷惑をお掛けしてしまって本当にごめんなさい、、。」
『いや、謝るのは俺の方だ。美麗がこんな目に遭ったのも全て俺のせいだ。、、同居するまでは秘書の澤村とは身体の関係があった。自分に好意を寄せていたなんて知りもしないで長い間、酷く傷つけてきた。今回の事はきっとその腹いせだと思う。』
私の謝罪に対し、ポツリポツリと彼が事の経緯を話してくれる。
じゃあ2人は両想いではなく?
私の勘違いだった、、、、?
でもきっと秘書の澤村さんは、彼の事が本気で好きだったんだと思う。
だから魔が差してこんな事を。