ワケあり同士による華麗なる政略結婚
たべやすいようにと少し小さめにおにぎりを握っていると、お盆に乗せた料理が目に入り急に不安になってきた。
よく考えれば彼が普段口にするものはもっと高級な食べ物かもしれない。
私も比較的に裕福な家庭に育ったが、ごく普通の一般家庭で育った母に料理を教えてもらったこともあって、外食は殆どなく家庭料理で育った。
それが私にとっての普通だったが、彼は違うかもしれない。
こんな質素な家庭料理なんて口に合わないかも。
おにぎりをお皿に並べ終わってそれを見つめていると、浴室のドアが開く音がした。
彼がお風呂から上がって来てしまった。
今から作り直そうにも時間もなく、困り果てて俯いていると後ろから声を掛けられた。