ワケあり同士による華麗なる政略結婚


『、、どうした?失敗でもしたか?食に対して特にこだわりは無いから安心しろ。胃に何か入ればそれでいいタイプだ。』







部屋着姿の彼がリラックスした様子でダイニングテーブルへと近づき、ゆっくりと座った。


落ち込む私に彼なりの気遣いだと受け取り、彼の待つダイニングテーブルへと料理を運んだ。









「家庭的な料理でお口に合うかわかりませんが、、、どうぞ。」


目の前に料理を置くと驚いたような表情を浮かべ、料理をじっと見つめている。








「どうか、、なさいましたか?」

『あ、あぁ、、短時間で作ったとは思えないものだったから驚いただけだ。』







そう言ってようやく料理に手をつけた。

彼は無言で料理を口に運び、箸を止める事なくあっという間に完食してみせた。



< 79 / 311 >

この作品をシェア

pagetop