"恋"と"親友"との曖昧な距離

偽カレカノになろうと言われた次の日。
わたしはすでに学校に着いていた。
『結々ー、はよ！』
「あ、凛斗くんおは…」
次の言葉をいう前に抱きしめられた
「凛斗くん、ここ学校！」
『いいだろ、カレカノなんだし』
ﾄﾞｷｯ
カレカノじゃないでしょ、"偽カレカノ"でしょ！
騙されないんだから！
ｽﾞｷｯ
痛いなぁもう。

なんとか凛斗くんを追い払って教室に向かった
『結々置いてくなよ！』
「…」
『無視しないでお願い。』
抱きついてきたあなたが悪い。
『ねぇ、結々ってばー』
「七瀬さーん、ちょっといい？」
げっ、私をいじめているやつらだ。
「な、なにかな？」
「話あるの。ちょっと来てくれない？」
「こ、ここじゃダメかな？」
我ながら頑張ったと思う。
「うざい。はやく」
本性出てきましたよ。
『結々ってば！』
ｸﾞｲｯ
「わっ!?」
あの人たちの前で後ろ抱きですか！
「じゃあいいや、條内くんに聞くね」
『ん？なにー？』
「正直いって七瀬さんはやめた方がいいよ」
『何が？』
「だから…関わるのやめた方がいいよって」
『なんで君たちに決められなきゃいけないの？』
「え」
『関わりたい人と関わって何が悪いの？ねぇ』
「それは…」
『さっき、うざいって結々に言ったよね。そのまま君たちに向けてあげるよ"うざい"』
「っ」
ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀ
あの人たちは教室に入っていった。
『さて、行こう』
「ま、待って！」
『ん？』
「ありがとうっ」
『ふっ…どういたしまして』

ー授業始まる十分前。