大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
「ううん、気にしないで…逆に迷惑かけてごめんね」
テーブルの上に並べられた料理に視線を向け、折角用意してくれたのに、冷めてしまった。
「結衣さん…彼女も手伝ってくれたけど食べれる?」
私に対して酷い事をした人が少しでも手伝った料理を食べれるのかと聞いているのだろう…
「智奈美が一生懸命作ってくれたんでしょう!食べるに決まってる。楽しみにしてたんだからね」
「…うん。ありがとう…遅くなったけど食べようか」
「手伝うよ」
夕食と言ってもいい時間帯、どうせならとお酒も用意して飲みながらの食事をする事になり、お昼の出来事には一切触れず楽しく食事をした。
男性陣は、男同士でリビングで晩酌。
私と智奈美は、少し離れたダイニングで食後のデザートとコーヒーを頂く。
「このシフォンケーキふわふわで美味しい。智奈美が作ったんだよね」
「でしょ…これも…まぁ実力⁈」
きっと、結衣さんのおかげだと言いかけた言葉をごまかすように
「菜生は奏くんといつから付き合ってるの?」
突然の事に、口の中にあるシフォンケーキをゴクリと飲み込みむせているのに、智奈美は心配する素ぶりも見せずにニヤニヤしている。