大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい

えーい、黙れ2人とも。

「ほら、手がお留守ですよ。これでも食べてください」

2人の口に、げその唐揚げを突っ込んだ。

これでしばらく噛むのに忙しいだろう…ふん。

「あっ、店員さん、ビール四つお願いします」

側を通りかかった店員を呼び止め、空のジョッキを渡した。

「おい、飲み過ぎだ」

「4人分頼んだんだけど?」

「一つ、烏龍茶に変えて」

奏が飲むのかと聞き流したのが間違いだった。

私の手には、烏龍茶がある。

「なんでよ…ビール飲みたい」

ブスッとして、目の前の冷えた焼き鳥を食べている。

「うるさい…ほら、酒以外ならお前の好きな物頼んでいいから」

と、メニューを渡される。

「えっ、奢り?」

「合流した時からそのつもりだ」

「やったー、聞きました⁈優希さん奢りですって!何頼みます?」

ゲンキンなもので、もう、拗ねていた事も忘れてデザートメニューを開いていた。

私達は、豪華な抹茶のパフェ、優希さんもデラックスチョコレートパフェを注文。

自腹だとなかなか頼めない品に、心はウキウキする。

届いたパフェは写真で見るより豪華だったので、思わず写メってみる。

「うわぁ、甘そう」
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