Ignition
「一応、俺は中学生に人気のある服を検索したつもりだったんだが」

「ネット情報を鵜呑みにしちゃだめですよ。だって、地域によっても着てるものなんて違うじゃない。それをまとめて十代で括ることに無理があるのよ。同じブランドでも場所によって品揃えが違うのを考えれば一発です。あれを中三女子にあげたらやばいですよ」

 桐谷は眉根を寄せて、さも深刻な様子で言った。

「俺は服にこだわりがないからわからん」

「開き直らないでください。父親が選んだ変な服もらうくらいなら、お金もらったほうが嬉しいですよ、十五なら」

「いや、それくらいは俺もわかってる」
「じゃあ訳ありってこと?」

「訳ありだ」腕組みして息をつく。

「それ、聞かせてください」心なしかつんと顎を上に向けて、桐谷も腕組みをする。

「いや、それはいい。その代わり娘の服を選んでくれ。背は百六十で痩せてる。髪は肩につくくらい。誕生日までに間に合うように頼む」
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