Ignition
「……コーヒーでいいか?」
「はーい、ご馳走になります。でも私自分でやりますから、新井さんシャワーでも浴びてきたら?」
桐谷は勝手知ったる我が家のようにキッチンへ向かう。新井は思わず腕を掴んだ。振り返った桐谷の長い髪がなびいて、花のような香りが鼻腔をくすぐる。
普段と違うもうひとつの要因に気付くと、新井は妙に落ち着かなくなった。
「何ですか」
「俺がやる」居心地の悪さに目をそらす。
「そうですか。じゃあ大人しくしてますね」
そう言いながらも、桐谷はリビングの探索を始めた。時々人が集まる関係で、見られて困るようなものは何一つ置いていない。とは言っても、やはり気にかかる。
二階からぱたんと扉が閉まる音がした。この時間の訪問者がさすがに気になったのだろう、美香が階段からそっと顔だけのぞかせた。すかさずそれに反応し、桐谷は手を振った。
「はーい、ご馳走になります。でも私自分でやりますから、新井さんシャワーでも浴びてきたら?」
桐谷は勝手知ったる我が家のようにキッチンへ向かう。新井は思わず腕を掴んだ。振り返った桐谷の長い髪がなびいて、花のような香りが鼻腔をくすぐる。
普段と違うもうひとつの要因に気付くと、新井は妙に落ち着かなくなった。
「何ですか」
「俺がやる」居心地の悪さに目をそらす。
「そうですか。じゃあ大人しくしてますね」
そう言いながらも、桐谷はリビングの探索を始めた。時々人が集まる関係で、見られて困るようなものは何一つ置いていない。とは言っても、やはり気にかかる。
二階からぱたんと扉が閉まる音がした。この時間の訪問者がさすがに気になったのだろう、美香が階段からそっと顔だけのぞかせた。すかさずそれに反応し、桐谷は手を振った。