Ignition
「上着貸してもらえませんか」
風で乱れた髪を耳にかけながら、桐谷が肩を震わせた。寒いのだろう。買ったばかりの服を羽織らせるべきだと思ったが、あいにく荷物は全て後ろにある。新井は仕方なく羽織っていたシャツを脱いで、桐谷の膝に乗せた。
桐谷はシャツに鼻を近づけて、それから肩にかけた。
「やっぱり。煙草でわからなかったけど、新井さんフレグランス使ってる。これ、ファブリックミストですよね。……もしかして、いつも使ってました?」
「ああ」
「……なんか、色々ごめんなさい」
いつになく、桐谷の声が落ち込んだ。
「いい、いい。この間は確かに俺も、自分で汗臭いと思ってた。桐谷に言われて着替えたらすっきりしたし、周りに我慢させたくもないから、はっきり言ってくれ助かった。思ったことがあれば今までみたいに何でも言って欲しい。仕事でも、それ以外でも」
「はい」
それだけ言って俯き、桐谷はシャツに顔をうずめた。
風で乱れた髪を耳にかけながら、桐谷が肩を震わせた。寒いのだろう。買ったばかりの服を羽織らせるべきだと思ったが、あいにく荷物は全て後ろにある。新井は仕方なく羽織っていたシャツを脱いで、桐谷の膝に乗せた。
桐谷はシャツに鼻を近づけて、それから肩にかけた。
「やっぱり。煙草でわからなかったけど、新井さんフレグランス使ってる。これ、ファブリックミストですよね。……もしかして、いつも使ってました?」
「ああ」
「……なんか、色々ごめんなさい」
いつになく、桐谷の声が落ち込んだ。
「いい、いい。この間は確かに俺も、自分で汗臭いと思ってた。桐谷に言われて着替えたらすっきりしたし、周りに我慢させたくもないから、はっきり言ってくれ助かった。思ったことがあれば今までみたいに何でも言って欲しい。仕事でも、それ以外でも」
「はい」
それだけ言って俯き、桐谷はシャツに顔をうずめた。