Ignition
何を言ってもひっくり返されるのが常だったから、急にしおらしくされると調子が狂う。
それでも、桐谷の口から出たごめんの一言で、心のどこかで燻っていた憎たらしく思う気持ちも、年上の、そして男としての意地もなにも、すっと消えていくのが不思議だった。
入れ替わるように湧き上がる、行き場はない気持ちを殺すように、煙草を灰皿に押し付けたとき、
「あのね、新井さん」桐谷はようやく顔を上げた。
「うん?」
「私って、思ったことを言わずにはいられないタチなんです。今まで色んな人と付き合ったけど、その度にいつも喧嘩になって。好きな人は傷つけたくありません。だけど、好きだから言葉を誤魔化したくないの。大切だと思う人ほど上手くできなくて、ときどき嫌になります」
今日の反省を含めての自己嫌悪なのか、桐谷はそう言って沈んだ顔のまま高層ビル群に視線を向けた。
「思ってること言ってくれないよりはいいんじゃないか。そのうち、桐谷の良さを分かってくれる男も出てくるよ」
それでも、桐谷の口から出たごめんの一言で、心のどこかで燻っていた憎たらしく思う気持ちも、年上の、そして男としての意地もなにも、すっと消えていくのが不思議だった。
入れ替わるように湧き上がる、行き場はない気持ちを殺すように、煙草を灰皿に押し付けたとき、
「あのね、新井さん」桐谷はようやく顔を上げた。
「うん?」
「私って、思ったことを言わずにはいられないタチなんです。今まで色んな人と付き合ったけど、その度にいつも喧嘩になって。好きな人は傷つけたくありません。だけど、好きだから言葉を誤魔化したくないの。大切だと思う人ほど上手くできなくて、ときどき嫌になります」
今日の反省を含めての自己嫌悪なのか、桐谷はそう言って沈んだ顔のまま高層ビル群に視線を向けた。
「思ってること言ってくれないよりはいいんじゃないか。そのうち、桐谷の良さを分かってくれる男も出てくるよ」