Ignition
自宅最寄りの池尻インターを通り越し、新井はそのまま都心環状線へと車を走らせる。桐谷はおもむろに口を開いた。
「新井さん、明日出社したらみんなから何か言われるかも」
「なんで。スーツの仕上がりは三週間後だから、明日はいつもどおりだけど」
「そうなんですよね。だからこそ反応するかな、って」
新井には何のことかさっぱりわからなかったが、桐谷は何かを思い出しているのか、話す前からひとりで笑いを噛み殺している。
「実は私、今日新井さんと一緒に買い物行くこと、みんなに言ったんですよ。『私が服を選んで新井さんを絶対にカッコよくするんだ』って。そしたら、『それいい』って総務部内で盛り上がっちゃって。……それでね、面白いの」
新井の肩に、とん、と桐谷の手が乗った。そうやって意識を向けさせたところで、桐谷は言葉を継いだ。
「新井さん、明日出社したらみんなから何か言われるかも」
「なんで。スーツの仕上がりは三週間後だから、明日はいつもどおりだけど」
「そうなんですよね。だからこそ反応するかな、って」
新井には何のことかさっぱりわからなかったが、桐谷は何かを思い出しているのか、話す前からひとりで笑いを噛み殺している。
「実は私、今日新井さんと一緒に買い物行くこと、みんなに言ったんですよ。『私が服を選んで新井さんを絶対にカッコよくするんだ』って。そしたら、『それいい』って総務部内で盛り上がっちゃって。……それでね、面白いの」
新井の肩に、とん、と桐谷の手が乗った。そうやって意識を向けさせたところで、桐谷は言葉を継いだ。