Ignition
「新井さんは会議ばっかでも、いつもちゃんとひとりひとりを気にかけてくれるじゃないですか」
「立場上そんなのは当たり前だよ。管理職でそれをやってない方がおかしい」
「でも、どんな雑務でも感謝してくれて、見えない仕事にもちゃんと気付いて、ありがとうって言ってくれる。新井さんには当たり前でも、評価されにくい仕事が多い私たちには特別なことなんです。みんな新井さんのこと大好きなんですから」
「……桐谷がいつもこうだったら、かわいいんだけどなあ」
「ちょっと新井さん、話半分で聞かないでよ。今私、真面目に言ってるんです。怒りますよ」
桐谷が運転席に手をついて、新井の顔を覗き込んだ。いつものように眉間に皺を寄せる桐谷の顔を何故だか愛しく思った。
「怒ったらワンピースでもめくればいいか?」
「最低、セクハラです」
「お前も酷いやつだな」
「せっかく褒めてあげたのに、全部台無しじゃないですか」
新井が思わず吹き出すと、桐谷も真顔でいるのも堪えきれないといったように、腹を抱え、声を殺しながら笑った。
「立場上そんなのは当たり前だよ。管理職でそれをやってない方がおかしい」
「でも、どんな雑務でも感謝してくれて、見えない仕事にもちゃんと気付いて、ありがとうって言ってくれる。新井さんには当たり前でも、評価されにくい仕事が多い私たちには特別なことなんです。みんな新井さんのこと大好きなんですから」
「……桐谷がいつもこうだったら、かわいいんだけどなあ」
「ちょっと新井さん、話半分で聞かないでよ。今私、真面目に言ってるんです。怒りますよ」
桐谷が運転席に手をついて、新井の顔を覗き込んだ。いつものように眉間に皺を寄せる桐谷の顔を何故だか愛しく思った。
「怒ったらワンピースでもめくればいいか?」
「最低、セクハラです」
「お前も酷いやつだな」
「せっかく褒めてあげたのに、全部台無しじゃないですか」
新井が思わず吹き出すと、桐谷も真顔でいるのも堪えきれないといったように、腹を抱え、声を殺しながら笑った。