Ignition
少しの間運転だけに意識を注ぐ。大通りに入ったところで新井は訊いた。
「桐谷と俺は、合うかな?」
「合うよ」
美香は即答して言い募った。
「お父さんは優しいから、人の気持ちを解かろうとしてくれるけど、ずっとそればっかりだと疲れちゃう。だから、栞那さんみたいにいつも本音で話してくれる人の方が、気持ちが安らぐんじゃないかなって」
素直な気持ちで聞くと、桐谷を薦める理由になるほど、と妙に納得できた。
「栞那さん、付き合ってもいつも上手くいかないって言ってたよね。チャンスだよ、お父さん。それとも、お父さんじゃ栞那さんを幸せにしてあげられないの?」
「いや……、なんだ。今までそんなことを考えたこともなかったから今ひとつピンとこないし、まともな判断をするのが難しい状況だ」
美香は新井の横顔をじっと見つめ、子供らしからぬ寂しげな表情で笑った。
「桐谷と俺は、合うかな?」
「合うよ」
美香は即答して言い募った。
「お父さんは優しいから、人の気持ちを解かろうとしてくれるけど、ずっとそればっかりだと疲れちゃう。だから、栞那さんみたいにいつも本音で話してくれる人の方が、気持ちが安らぐんじゃないかなって」
素直な気持ちで聞くと、桐谷を薦める理由になるほど、と妙に納得できた。
「栞那さん、付き合ってもいつも上手くいかないって言ってたよね。チャンスだよ、お父さん。それとも、お父さんじゃ栞那さんを幸せにしてあげられないの?」
「いや……、なんだ。今までそんなことを考えたこともなかったから今ひとつピンとこないし、まともな判断をするのが難しい状況だ」
美香は新井の横顔をじっと見つめ、子供らしからぬ寂しげな表情で笑った。