雨に恋するキズナミダ

「お待たせ」

「秋くん」



 見違えるほどカッコよくなった。やっぱり服買ってよかったよ。



「イケメンになった」

「オレはいつでもイケメンだ」

「どうだか」



 言いながら店を出る。
 そういえばこの後の予定を立てていない。



「ねえ、どこ行く?」

「この間の喫茶店。雪乃に食べさせたいものがある」

「わたしのこと、大食い女子だと思ってない?」

「否定はしない」

「秋くん!?」



 ケラケラと笑い出す。
 そんな秋くんの顔を見ていたら、楽しいって思っていた。久しぶりに感じた、誰かといて嬉しい気持ち。



「じゃあさ、秋くん奢って」

「またかよ」

「いいじゃない」



 二人で駅に入る。


 この時間に電車を利用する人は少なくて、いつもみたいに押される心配はない。そこのところは安心。


 ただ、やっぱり日曜日ってことでデートとか家族とか、そういった乗客が多いみたい。
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